「産後ケアホテル」を知っていますか?

海外では手厚い事例を見聞きする、産前産後のケア各種。

その1つに「産後ケアホテル」。

ホテルに助産師や保育士等が24時間常駐し、育児サポート、母体ケア、睡眠の確保など、産後の悩みを全方位満たしてくれるサービスです。アジアを中心に急展開、台湾や中国では7割以上が一般的に利用とのこと。

産後ケア施設を知った時は、いいなぁと思いつつ高すぎ無理、とスルーしてました。でも多くの人が結婚式に数百万、新婚旅行に数十万のお金を出すのだから、出せないわけではないんですよね。文化として定着することの重要性を感じました。日本人は皆がやってることはやりたがるから笑、利用した人が拡散して認知度が上がって、どんどん利用者が増えるといいなぁ。

出産は結婚式と同じ、人生に1回〜数回の大事なイベントです。

産婦人科医さんも推薦!

しかし、産後ケアホテルが気になっても

都市にしかない(岐阜はもちろん愛知もない)ホテル以外の宿泊型産後ケアは、上の子がいると宿泊できない場合が多い

そんな東海の状況が変わります。

犬山駅すぐ「宿泊型産後ケアホテル」始動!

2024年12月11日、ホテルミュースタイル 犬山エクスペリエンスで、東海エリア初となるホテル宿泊型産後ケアサービス『milieu(ミリュー)』(株式会社ロイヤルポルテ)が始まりました。

\2025年2月末までの限定クーポン/
 宿泊予約後、公式LINEに「G2024S」と入力すると「milieu宿泊中に使用できる1000円券」が配布されるそうです。ぜひご利用ください!

どんなサービスが受けられるんだろう?

気になって気になって…… 現地取材させていただきました!

対応してくださった「名鉄犬山ホテル」支配人の酒井昭夫さんと「milieu(ミリュー)」事業責任者の小林春香さん。

平日も観光客で賑わっている犬山城下町。

一番アクセスしやすい犬山駅すぐ目の前に「ホテルミュースタイル 犬山エクスペリエンス」はあります。

ホテルの現状として、決して産後ケア事業に手を挙げる必要はなかったのでは? なんて思いますが……

観光に来てくださる方々も大事ですが、この地域に暮らす方々も大事です。少子化も進む現在、新しいことに取り組んでいく必要がある。小林さんからお話をいただき、安心して子育てに取り組める環境づくりに貢献できたらと、ホテルとしても前向きです。(酒井さん)

産後ケアホテル利用者は、もちろんホテルのサービスも利用可能です。

開放的なゲストラウンジとテラス

産後ケアのお部屋とサービスを覗いてみよう

「milieu」事業責任者の小林さんに、実際に使われる施設を案内いただきました。

まずここが多目的ルームです。アロマオイルトリートメントや漢方薬草蒸しを希望される方の施術や、育児講座や相談の対応をしたりするお部屋ですね。

それぞれの部屋には「太陽」「虹」など番号以外の親しみやすい名前がつけられています。

利用者の方にはまず、ウェルカムドリンクと犬山のお菓子。今回の滞在で実現したいこと・困っていることなどを、改めて確認し合うところから。

この日は犬山名物の「げんこつ飴」でした。

とにかく全力で「ママファースト」!

お一人お一人に、こちらのファイルを作ります。滞在中に行ったことや赤ちゃんの様子なども記入し、まとめて最後にお渡しします。

ご本人の気持ち等を書きこめる欄もありますが、記入はお任せです。

とにかく、お母さんの気持ちを第一にしたい。「ママが何をしたいか」に全力で寄り添う、ママファーストが信条ですね!

ホテルのレストランでも食事できますが、希望される方はお部屋食も可能。

「寝続けたい!」もOK。(むしろ「赤ちゃんは預かるから夜はぐっすり寝ちゃおう!」と勧める傾向とかも?)

母乳など育児の悩み、急におっぱいが張って困ったときのマッサージ等も、助産師・保育士が24時間いるため、夜中でも対応可というリッチ環境。

お母さん以外の大人も1人まで宿泊可。例えば、お父さん、祖母、妹、友達でもOK。一緒に育児講座を受けることも可能です。

犬山駅すぐなので「ちょっと名古屋いってきます」のお出かけもできれば、犬山城下町をブラリ散策もできます。

ファイルの中には、犬山市の観光パンフレットも。

出産のダメージを背負ったままの母体。

いくら赤ちゃんが可愛くても、睡眠も体力も削られていくゴールの見えない生活に、メンタルが弱るのは当然です。

私自身が出産当時「誰かに助けてほしい」と感じて、産後ケアホテルを探したんです。

でも、東海にはなかった。

助けを求めていいよ、甘えていいよ、頼って当然だよ、と伝えたい。1人でがんばりすぎて折れる前に、この産後ケアホテルを利用してもらいたい。

短期でもストレスから解放され、心身が軽くなった状態で、また楽しく子育てに向き合ってもらえたら嬉しいです。

ここにいる助産師・保育士はどんな人?

求人サイトに載せたところ、助産師さん等の口コミネットワークで一気に広がり、産後ケアをしたいという想いある皆さんが集まってくれました。面接と研修も行い、現在は保育士さん20名、助産師さん20名が登録中。必ず助産師と保育士がそれぞれ常駐します。

赤ちゃんのベビールームに入れるのはスタッフのみ

産後ケアホテルの金額だけ見ると高いですが、通常のホテルサービス+助産師や保育士による専門ケアと滞在中の託児+1日5食の食事+ミルクやオムツ等々の基本グッズはお任せ…… 確かにそれぐらいはかかる!

赤ちゃんは常時スタッフが見守りますが、念入りに体動センサーも。

登録されている保育士さんに、手を挙げた想いを聞いてみました。

ずっと産後ケアをやりたかったんです。育児の入り口、一番肝だと思ってる。

なのに、4ヶ月までのお子さんを見てくれる場所はほとんどありませんよね。

保育園で働いていましたが、産後ケアとは違いますよね。ファミサポで乳児親子の支援もしていますが、やっぱりこれも産後ケアとは違う。役所が行う産後の赤ちゃん訪問にも関わりましたが、話を聞くだけで実質的なトラブル対処は病院に任せるしかない等、本当の意味で踏み込めていないと感じていました。

役所が提携している助産院等の宿泊型産後ケアは、1万円前後と安価であっても、お母さんと赤ちゃんしか入れなくてお父さんもおばあちゃんも上の子も来れなかったり、部屋から出られず寝るだけだったり…… もちろん寝られるだけでも大きいですけどね!

でも、この産後ケアホテルなら、必要なタイミングで細かいところまでしっかりサポートできるんです。

例えば、おばあちゃんに新しい育児の価値観も伝えることも可能かも。赤ちゃんにお母さんを取られて寂しいかもしれない上の子も一緒に宿泊できる。

お母さんだけでなく、関わる人みんなをケアできるんです。

スタッフとの連絡はLINEで。気軽! 楽ちん!

「産後ケアをしたい!」 ここで、同じ想いを持つ新たな仲間との出会いもあったそうです。

親子を中心にネットワークがつながっていく。素敵すぎる。

コースは4つ「食事あり/なし」「手ぶらセットあり/なし」

現在2025/1時点では、寝返りするまでの赤ちゃん(約8ヶ月まで)が対象です。運用が落ち着いてきたら対象月齢を広げていきたいとのこと。

チェックインは夕方15時、チェックアウトは朝10時。

  • ※追加料金で、チェックイン13時〜チェックアウト昼12時まで相談可。
ツインのお部屋
ダブルのお部屋

どのコースにも「お母さん以外の大人1人」「上の子1人」の宿泊費が含まれています。

  • ※人数によってアメニティ代がかかります。
  • (例)パパのみ同伴:無料。上の子のみ同伴:無料。パパと上の子の2人が同伴:お子様のアメニティ代(2,200円)のみ必要。

もっと一緒に泊まりたい人がいたり別の部屋で過ごしたい場合は、ホテルの近い部屋をとることも可能!

食事について

1日5食(間食・夕食・夜食・朝食・昼食)が付きます。

  • ※コースに含まれる食事はお母さんのみ対象です。ご注意ください。
朝食とランチのメニューの一例
間食はSoup Stock Tokyoのスープ、三輪そうめんなど

手ぶらセットについて

赤ちゃんとのお出かけは荷物が多い! 準備が大変!

その負担をなくすため、親子が手ぶらで来ても大丈夫なセットが準備されています。

オムツ、おしり拭きシート、スタイ、乳児服はもちろん授乳服等も

ちなみに「ミルク」「搾乳機」など親子にとって命綱となるものは手ぶらセットには含まれません。誰でも利用できます。

さらに、ミルクは調乳したものが出てきて、洗浄消毒もお任せできるとのこと!

……神か……

ミルクは「はいはい」と「ほほえみ」の2種類
カゴに入れておけば、洗濯もしてもらえます。
各部屋にはオムツ専用のゴミ箱
トイレとバスルームはセパレート!
お風呂。シャワールームだけの部屋もあります。(もちろん大浴場も利用OK)
悪露(おろ)が気にならないよう、白色以外の柔らかいタオルが置かれています。

宿泊中、「やっぱりこのサービスを利用したいな」と追加もできます。
(もちろん、金額は事前予約がお得とのことです)

milieu(ミリュー)に込めた想い

milieuはフランス語で「真ん中」という意味。「ママを真ん中にする」という想いと、「日本の真ん中、東海地方で! 産後ケアの輪を作っていきたい」という目標を込めています。

あたたかい想いを感じる空間。

まだまだ「産後ケアホテル」の認知度は低いかもしれませんが、今、高山市(岐阜県で産後ケア利用率No1!)と助成金活用の話が進んでいるそうです。

また、保育園と連携して1〜2歳の親子の時間もサポートしていきたいと検討中とのこと。

関心ある市や園と、これからどんどん話を進めていけたら嬉しいです。他の地域では2か月滞在される方も。ここでも12泊された方がおり「育児不安を取り除けた」「気持ちを吐き出せてよかった、弱い自分は普通だと思えた」など心に残る感想をいただけました。

参考記事:<利用者へ「産後ケアホテルを利用した理由」を聞いた結果(中略)「自治体の補助」は利用を大きく後押ししていることがわかった>

コズレ子育てマーケティング研究所「産後ケアホテルの利用実態調査」より

少子化の進む日本、お母さんばかりが苦しくないように、日本での子育てが楽しくなるように。

周囲からも「産後ケアホテル」宿泊券をプレゼントできたら良いですね!

\2025年2月末までの限定クーポン/
 宿泊予約後、公式LINEに「G2024S」と入力すると「milieu宿泊中に使用できる1000円券」が配布されるそうです。ぜひご利用ください!

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